こんにちは、賃貸営業の中村です。本日は、部下のおカブを奪ってみます。
常に国内外のポップミュージックに鋭敏なアンテナを張り、我々に音楽の新たな扉を開いてくれる。それが、我が営業課の鈴木社員がお送りしているブログ、「田中じゃないよ、鈴木だよ」です。
ですが、その鈴木社員が決して紹介しないであろう扉を、今日は僕がご紹介してみようと思うのです。
ご紹介するのはズバリ!我が故郷、長崎における音楽の巨人
さだまさし師匠
です。福山雅治?彼も素晴らしいですが、さだまさし師匠に比べたらまだまだひよっこです。
今日はその、さだ師匠の名曲における、素晴らしい情景描写について語ってみたいと思います。
師匠の曲には、どれもその根底に「物語」が流れています。聴く者はみな、その物語性に心を打たれ、時に涙してしまうのです。特に秀逸なのは、想像をかき立てる情景描写。歌詞を追っていくと、物語の舞台となっている風景が鮮やかに蘇るのです。
まずは聞いていただきましょう。一曲目は「案山子(かかし)」です。
元気でいるか?街には慣れたか?
で始まる冒頭の歌詞はご存知の方も多いと思います。都会に出ていった弟(妹)に向けて兄が書いた手紙の文面です。しかし、僕が紹介したいのはそれに続く情景描写です。
城跡から見下ろせば蒼く細い川橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突この町を綿菓子に染め抜いた雪が消えればお前がここを出てから初めての春
どうですか?北国の美しい雪景色が浮かんできませんか?酒屋の煙突からたなびく煙まで見えてくるようです。
さらに後半部分。
山のふもと 煙吐いて列車が走るこがらしが雑木林を転げ落ちてくる銀色の毛布つけた田んぼにぽつり置き去られて雪をかぶった案山子(かかし)がひとり
浮かびますよねえ、寒々とした冬の田んぼ、そこにぽつんと残されたカカシ。その寂しそうな姿に弟(妹)の孤独を想う兄の心情が、切々と胸に迫ります。
本当はここで、「秋桜(コスモス)」や、今の季節にぴったりの「精霊流し」もご紹介したいのですが、かなりの長さになってしまうのでぐっと我慢して、もう一曲だけお届けしたいと思います。
「風に立つライオン」です。
大沢たかお主演で映画にもなりましたね。ご覧になりましたか?
アフリカの診療所で難民たちの治療にあたる若い医師が、日本に残した元恋人に宛てた手紙の内容が歌詞になっています。
ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが一斉に飛び発つ時 暗くなる空やキリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット何より僕の患者たちの瞳の美しさ
鳥肌が立つほどの圧倒的な描写。アフリカの雄大な自然が浮かんでくるようです。彼の助けを求めて診療所にやってくる、痩せこけてはいるけれど強く美しい瞳を持つアフリカの人々の姿も。
ちなみにこの曲、僕はできるだけ聴かないようにしています。
100%の確率で号泣してしまうからです。
さあ皆さん。「暗い」とか「古い」とか言って敬遠しないで、ぜひ、さだ師匠の扉を叩いてみてください。きっと新しい扉が開かれると思いますよ。