こんにちは。賃貸営業の中村です。
熊本行の続きです。
二日目は、益城町で被災した伯父(母の兄)宅を見舞いました。
傾いた家屋のすぐ脇をレンタカーでヒヤヒヤしながら通り抜け、
あちこちで進む家屋の解体現場に胸を痛めつつ、ようやくたどり着いた伯父宅は、一見無傷のように見えて、やはり満身創痍、室内はかなりのダメージを受けていました。
壁のベニヤ材は継ぎ目が外れてバラバラ、サッシ窓も幾つかが開閉できなくなっているため、二階の雨戸は閉めっぱなし。部屋には物が溢れ、雑然としています。
「ごめんね、散らかってて。もう片付ける気力がなくて…」
伯母は力なくそう言います。
92歳の伯父と、85歳の伯母には、この状況はかなり堪えているようでした。
最初の大きな揺れが置きた時、伯母は台所で夕飯の片付けを行っていたそうです。
とっさにダイニングテーブルを動かして食器棚に押さえつけて倒れるのを防止し、寝ていた伯父を叩き起こして、二軒隣の公民館の駐車場に無理やり連れて行ったとのこと。
それからの3日間、伯父夫婦は近隣の方々と一緒に、公民館の駐車場に大きなゴザをひろげ、身を寄せ合うようにして雑魚寝して過ごしたそうです。その後は避難所暮らしで、ようやく自宅に住めるようになったのは、地震の翌々月になってから。容赦なく余震が襲う、眠るに眠れない日々のことを、時折涙ぐみながらお話ししてくれました。よほど辛かったのだな、と実感しました。
「家を直そうにもやってくれる大工さんがいない。これじゃいつ復旧できるかわからない」
「もう取り壊すしかないと思っている。その取り壊しもいつになるのか…」
すっかり途方に暮れた様子の伯父でした。
伯父宅を辞する時、二人の写真を撮らせてもらいました。
ピースサインを作るようにお願いすると、伯父は照れて、ようやく少し笑ってくれました。
さて、今回の旅では、美味しい食べ物や楽しい人との出会いも幾つかありました。
次回はその方々をご紹介します。