こんにちは、ハカラー中村です。
自分で言うのもナンですが、私はこう見えて苦労人でして、若い頃は夢を追いかけて貧乏暮らしをしておりました。風呂ナシ・トイレ共用のボロアパートに住んで、3袋100円の激安インスタントラーメンで空腹を満たす日々でした。もう戻りたくはないけれど、アレはアレで面白い生活だったなあとは思います。
そんな貧乏暮らしの中でハマってしまったのが「クラシックカメラ」という厄介な“沼”でした。4分100円のコインシャワーで汗を流すのに、200円使うか、300円投入してしまうかを真剣に悩むクセに、足しげく中古カメラ店に足を運んではガラクタすれすれのカメラやレンズを2〜3万円で買ってしまうという・・・沼にハマった人間は実にオロカです。
今ではすっかりその沼から抜け出し、まっとうな道を歩んでいる私ですが、銀座の松屋で「世界の中古カメラ市」というイベントを開催していることを知って、久々に沼のフチをのぞき込みに行ってきました。
会場には、今現在どっぷり沼の中に浸かっている中古カメラマニアたちが多数。そして、愛すべき銘品・珍品カメラがズラリと並んでいました。
なかでもこの「ドリュー」には鳥肌が立ちました。
警察用に開発されたカメラです。ピストルの形をしていて、被写体に銃口=レンズを向けて撮影する仕組みになっています。ピストルを向けられた犯人がおとなしく撮影させてくれるわけもなく、実用性はほぼゼロだったというトホホな珍品。市場にはほとんど出回っていなかった為、めったにお目に掛かれるシロモノではありません。
ちなみにお値段は148万円です。
他にも、
ユーモラスな風貌の35mm二眼レフ「サモカフレックス35」や、
キュン死級に可愛らしいローライ35。
オリンパスPENに代表される国産のハーフ版カメラたち。
赤ちゃんの手にも通じる愛らしさの小さな小さな豆カメラ。
貴婦人のような気高さの「ペンティ」。
などなど、久々のクラシックカメラ沼、堪能しました。
不思議なものであの貧乏時代は無理してでも買っていたのに、経済的に多少余裕のある今は、眺めるだけで満足できてしまいます。私のクラシックカメラ沼がすっかり浅くなってしまったようで、ちょっぴり寂しい気もするのです。