こんにちは。ハカラー中村です。
5月に亡くなった父の新盆のため、長崎に帰省してきました。日本の多くの地域では、お盆の時期はご先祖をお迎えして、静かに過ごすものだと思います。
私の故郷は違います。
13日の夕方、提灯を下げて海へ先祖を迎えに行き、自宅に連れ帰ります。このとき、浜辺や自宅の庭先で花火をします。
14日はお寺からお坊さんがやってきて、仏壇にお経を上げてくださいます。唯一静かなのはこの夜です。ただ、花火好きな家庭では、この日もやっぱり花火をします。
15日の夜はいよいよクライマックス。お墓に提灯を掲げ、ひときわ派手にに花火をやります。手持ちの花火だけではなく、ロケット花火もビュンビュン飛び交います。
長崎のお盆は、先祖と賑やかに遊び、もてなす三日間なのです。さらに初盆を迎えた家庭では、15日の夜、もうひとつイベントが待っています。
そうです。精霊(しょうろう)流しです。さだまさしさんの歌だと暗くしずかな雰囲気ですが、
実際はまったく違います。
提灯やお花で飾られた精霊船はそれはそれは華やかです。それを親戚や近所の方々が総出で担いで、海まで運びます。その道中も、爆竹を派手に鳴らし賑やかに送るのです。
二十数年前の母方の祖母の時は、火をつけて沖の方まで押し流しました。燃えながら遠ざかる船を皆でいつまでも見送ったものです。
最近ではそうした豪儀な送り方は出来なくなりました。波打ち際で浮かべて、三回ほど旋回させるだけで浜に上げてしまいます。環境への配慮でしょうけれど、少し寂しい気がします。
派手な分、送った後の寂しさもひとしおです。果たして父は我々のおもてなし、楽しんでくれたでしょうか?