こんにちは。賃貸事業部の中村です。 本日は、懐かしいお話を。
今は1回200円が主流なんですってね。500円玉3枚を投入する、1回1,500円の物も存在すると聞きました。すごいですね。
昭和ミドル世代の僕が子供の頃は、ガチャガチャといえば「1回20円」でした。 我々男子小学生たちの間で大流行した「消しゴムカーレース」に使用するスーパーカー消しゴムは、もちろんこのガチャガチャで仕入れていました。
「消しゴムカーレース」は紙に書いたサーキットの上で、スーパーカー消しゴムをノック式ボールペンで弾きながら走らせていく遊びです。小学校の休み時間、男子は皆、こぞってこの遊びに興じていました。机や床にコースを書いて先生に叱られる事件も発生しました。昭和終末期生まれや平成生まれには伝わらないだろうなあ。
がありました。これらはガチャのカプセルに入るサイズではなかったため、カプセルの中に「アタリ」というカードのみが入っており、それをお店のレジで景品と引き換えてもらえるシステムでした。
そんなアタリ付きガチャの中に、僕の心を強烈に捕らえたものがありまして、それが
「恐竜のニオイのカンヅメ」
でした。なんと、古代の恐竜のにおいを閉じ込めた缶詰だというのです。
恐竜のニオイってどんなだろう?
もうそれが気になって気になって、小学生としては結構な金額をつぎ込みました。そして10数回のチャレンジの末、なんとついにアタリが出たのです!
震える手でお店のレジにアタリのカプセルを持っていき、景品と取り替えてもらいました。もらったカンヅメは「カン」という割にプラスチックで出来ておりまして、小学生だった僕の小さな手のひらにすっぽり収まるサイズしかありませんでした。
今の僕なら自宅に持ち帰って、写真を撮ったり、開けてニオイを嗅ぐ様子を動画に収めたりするんでしょうが、当時の僕は溢れる好奇心を抑えることができず、もらったその場で開缶してしまいました。果たして、恐竜のニオイとは?!
もうお察しのことと思います。 もちろん、恐竜のニオイなんかしませんでした。ただただプラスチックの樹脂っぽいニオイがかすかに感じられるのみ。要は何も入っていなかったのです。例えなんらかのニオイの元が入っていたとして、それが本当に恐竜のニオイなのかどうかなど、誰にも検証できないのです。
世の中には汚いビジネスが存在する。
子供心にそんな悲しい事実を思い知った僕なのでした。
その後も、ゼンマイを動力に水中を進むはずなのに沈んだきり二度と浮かんで来ない「ミニ潜水艦」に騙されたりもしました。そうやって少年はガチャガチャを卒業し、少しずつ大人になっていくのでした。
あんなわかりやすくインチキな商売は到底できないでしょうね。ガチャの景品もよく出来たものばかりです。その代わりもっと巧妙でわかりにくい、タチの悪いインチキ商売が幅を利かせてしまっています。チンケなインチキな商売がまかり通っていたあの時代は、むしろおおらかでよかったな、とも思ってしまうのです。
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