こんにちは、賃貸営業の中村です。 本日は現在読んでいる本の話を。
僕はテレビドラマ、というものをあまり視る方ではありません。NHKの朝ドラや大河は一応押さえますが、それ以外の連続ドラマはほぼほぼスルー。大ブームになった「半沢直樹」ですら、序盤の宇梶剛士さんと壇蜜さんの入浴シーンをチラ見しただけで終わってしまいました。
そんな僕でもお気に入りのドラマはいくつかありまして、その一つが「すいか」です。家人のお気に入りでもありまして、これに関してはDVDも購入しています。
その「すいか」の脚本を書いた木皿泉(きざら・いずみ)さんの初の小説作品が、今回ご紹介する「昨夜のカレー、明日のパン」です。 最愛の夫を亡くしたテツコは夫の死後も義父(作中では「ギフ」と表記)と共に暮らしています。そのギフとの関わりを中心に、新しい恋人岩井さんやその他の人々との何気ない日常や小さな出来事が語られるのですが、そのエピソードの一つ一つがキュンと胸に来るのです。 場面描写を大胆に省略するクセがどうやら木皿さんにはあるみたいで、たとえば15ページ目のこの一文。 「岩井さんは目ざとくソファの席が空いたのを見つけて、コーヒーカップを持って移動する」 読み進めると、岩井さんとテツコが喫茶店にいて、カウンターの椅子席からソファ席に移動したのだ、という事が分かるのですが、何の前置きもなくこの一文が出てくるのですこし面食らいます。しかし、慣れてくると不思議なもので、省略されている部分を想像力で自然と補うようになるのです。頭の中に鮮やかに映像が浮かんでくるのはドラマの脚本家ならではというところでしょうか。 そんなわけでまだまだ序盤ですが、グイグイと面白くなってきています。 「昨夜のカレー、明日のパン」。皆さんも、読んでみたらいいのに。
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